サッカーに見る日本のリーダーシップ観

Filed under: コラム — sji_jimukyoku @ 2005.06.15

2006年サッカーワールドカップに向けての最終予選、日本代表はバーレーンに競り勝ってWカップ出場に大手をかけた(6月4日:土)。

新聞各紙の報道で、日本代表のキーパーソンである中田英寿選手への評価が大きく別れているところに、日本人のリーダーシップ観が現れていて面白い。

日経新聞は「中田英風格 攻守両面でけん引」との小見出しで中田選手を絶賛している。いわく、「中田英の風格を漂わせるプレーに引っ張られ、周囲の 小笠原や中村も持ち味を出した」、と。加えて、Jリーグ仙台の元監督清水秀彦氏のコラムでは、「プレーでいまどう試合を進めるべきなのかを示してくれ る。(中略)彼こそ真のリーダー」と褒め称えている。

対照的なのは朝日新聞だ。「ヒデの怒声の意味」という小見出しで中田選手が周囲の選手と上手くコミュニケーションをとれていないことを示唆し、「練 習前のひととき、選手がいくつかのグループに分かれて遊ぶ中、ヒデは一人で球と戯れている」と中田選手が代表チーム内で孤立しているかのような印象を打ち 出している。

典型的なリーダー像のアンビバレンツだろう。一方で、リーダーは、「その他おおぜい」とは異なる存在であり、集団を率いる存在であって欲しい。が、一方では、リーダーといえども自分たちと同じであり、コミュニティの和を乱すことはして欲しくない。

どちらが正しくて、どちらが間違っているというわけではない。どちらも人間の中に普通にある感情だ。が、リーダーとしての中田選手を論ずるのであれば、両紙共に現在の日本代表が置かれている状況をふまえて評価をして欲しかった。

言うまでもなく、効果的なリーダーシップは
置かれた状況によって変わってくるからだ

すなわち、W杯最終予選でのアウェーの試合と言う環境、あるいは、代表チームには宮本恒靖選手という主将がいるという内情などをふまえて、中田選手 がリーダーとして果たすべき役割はなんであったかを考察し、それをモノサシに実際の中田選手のプレーヤ行動を評価することがフェアで妥当と考える。

中田選手は試合の感想をさっそく自身のHPでアップしている。この文章を読む限り、中田選手はチーム全体という視点から自身の果たすべき役割を考えていることがうかがえる。

No related posts.


↑TOPへ

コメントはまだありません »

この投稿へのコメントの RSS フィード。

コメントする

*