ボローニャ宣言-その3

Filed under: コラム — sji_jimukyoku @ 2005.05.31

本日(05年5月31日)の新聞でも報道されていたとおり、フランスでEU憲法への批准が国民投票により否決された。「一つの欧州」を目指して進ん できた過程が迎えた正念場であり、(長期的には)一枚岩の政治体制を築けるか田舎の試金石と言っていいだろう。いわば、「産みの苦しみ」だ。

一方、マネジメント教育においては、先日もこのサイトで取り上げた「ボローニャ宣言」が実効性を発揮し始めていると感じる。ただ、「産みの苦しみ」を迎えているのはこちらも同様であり、欧州教育機関はボローニャ宣言への対応に苦労しているようだ。

たとえば、MBAプログラムの認証期間であるAssociation of MBA (AMBA)では、認証に必要な要件を定めた文書がボローニャ宣言を受けて改訂され、大きな方向性としてはより厳しい基準を認証においては課すようになった。

たとえば、講師陣との対面による教育時間、”contact hours”は、以前の基準に於いては400時間と定められていたものが、今回の改訂により500時間と一気に25%も増やされた。当然、認証を求めるビ ジネススクールにとっては、ハードルが高くなることになる。

ボローニャ宣言の趣旨は理解するし、ハードルが上がるのもある程度はやむを得ないと感じるものの、一方ではこれまで欧州のマネジメント教育機関が 持っていた多様性を損なうのではないかと懸念する。ミンツバーグにも指摘されていることだが、欧州では創設がことなるマネジメント教育機関が種々存在し (大学発のもの、企業研修所発のもの、等々)、対象としているのも米国MBA的な若年層から経験豊富なマネージャーまでさまざまであり、結果としてより多 くの人により適切な教育がされているのだ。

仮に、今回のボローニャ宣言が「標準化」を推し進めるとしたら、これに反対する動きも早晩起こって来るであろう。

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