「コピーレフト(copyleft)」と聞いてピンと来た方は、知財に関して感度が高い人だろう。
もともとは米国のシリコンバレーのエンジニアが使っていたこの言葉、コピーライト(copy right)のもじりで、要するに知財の所有権を主張せずに、ソフトウェアなりアイデアなりを公共のものにしてしまおう、というアイデアだ。法的な根拠が どこまであるかは分からないのだが、その精神である、「私もオープンにするから、あなたもオープンにしてね」というメッセージには共感を覚える。
さて、一方で、マネジメント教育業界。
この、コピーレフトの大規模な実験とでも言うべき、教材の外部開放が大規模に進んでいるのをご存じだろうか?
嚆矢をつけたのは、MIT (米国Massatusetts Institute of Technology)のオープン・コースウェア(OCW: Open Courseware)プロジェクトだ。たしか、2000年ぐらいだっただろうか、MITが、「今後MITで使われる教材はすべてウェブ上で公開する」と アナウンスしたときには、正直私も半信半疑であった。事実、そのウェブサイトもずいぶんお寒い状況が続いていたと記憶している。私自身、これはネットバブ ルの徒花であって、いずれ消えていく運命にあると醒めた目を向けていただけだった。
が、MITはその後も着実にOCWを進めてきた。今ではウェブサイトも見違えるほど充実し、科目ごとにシラバスやティーチング・マテリアルなど、見ている方が「ここまで公開しちゃって良いの?」とビビるぐらいに掲載されている。
これは対岸の火事ではない
何と日本においても、MITのOCWにならい、6つの大学による教材の公開が始まったのだ。
もちろん、現時点においては公開されている情報も大量とは言えないし、科目などもバラバラだ。しかし、ネームバリューのある大学がその競争優位の源泉でである教材を無償で公開し始めたという事実は重い。
今後の一つのシナリオとして、競争優位の源泉は教材それ自体ではなく、それを使って成果(=学習効果、顧客満足度)を上げる仕組みなり人材なりにシフトしていくのかもしれない。
折しも、この5月で文部省が「大学(国立大学)の構造改革方針」(通称「遠山プラン」)を発表してから丸4年がたったことになる。グローバル化や構造改革など外部環境の変化にあわせて大学自体の自主的な変革が始まったのかもしれない。
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