★★★★☆
山崎 将志著、ファシリテーション
山崎 将志著、ファシリテーション
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
●世の中の会議の8割は、「進捗確認会議」とそれに付随する「問題解決会議」
●会議の3点セットは
アジェンダ
作業計画表
課題管理表
●会議の目的設定=テーマ(何を)+ゴール(情報共有、創造、調整、決定)
●会議の資料作成。問題解決を目的とした資料の提案の5項目
提案/主張
根拠
効果
リスクと予防策
実行計画
●議事録の目的
次のアクションアイテムを明示する
情報共有
証拠を残す
●議事録のタイプ
決定事項メモ
要約録
会議の名称や開催日時、場所、出席者
会議で話し合った議題をリストアップ
議題別の「合意事項と残課題」
主な議論
アクションプラン
逐語録
●議事録と会議の3点セットは、会議の品質を高める以外に、若手の仕事力向上にはうってつけ
●会議の冒頭でこれだけは押さえよう
趣旨説明
各議題の説明
趣旨・議題に関する合意の確認
タイムテーブルの確認
●会議の5つの役割
参加者
マネジャー(意志決定者)
ファシリテーター
書記
専門家
●議論の可視化の目的
記憶の外部化
言葉の定義の明確化
論点の拡大と深化
会議後の作業の軽減
——————
ベストセラーの法則
——————
●「ファシリテーションが注目される背景」で必要とされる理由を明確にしている。もっとも、メリットはもっと強く打ち出してもよいのでは?
●一つのトピックが見開き2ページによる解説+ケーススタディとコンパクトにまとめられている。ただ、ケーススタディは分量が足りないし抽象度が高いので、まだ工夫の余地はある
●デザインのせいなのか、白黒の割には読みやすい。フォントとか、行間とかの設定がうまいのか?
●見出しはキーワード型。なじみのある分野のせいか、言い足りない感はない
説得力がある人っていますよね?
そんな人の話し方の特徴をまとめてくれたのが本書。
ケビン・ホーガン著、「できる人」の話し方、その見逃せない法則
ケビン・ホーガン著、「できる人」の話し方、その見逃せない法則
評価は
★★★★★ (何度でも読む価値あり)(評価の基準はこちら)
説得という観点でさまざまなテクニックを横断的に紹介してくれているのが何ともありがたいですし、しかも実例が豊富で、もう明日から使えること間違いなし。
営業や社内の調整など、「説得力を高めたい」と思っている人ならば、読んで損はないはずです。
以下、ポイントを。
●相手との交渉の前に行うOBT
1. この相手との交渉から、自分は何が欲しいのか?
2. この相手との交渉から、相手は何が欲しいのか?もしわからなかったら、何が欲しそうなのか?
3. この相手との交渉から、自分が欲しくないものは何か?
4. この相手との交渉から、どんな問題が起こりうるか
5. 起こりうる問題に対して、自分はどのように対処するか?もし可能であれば、その問題を相手の利益となるように利用することは出来るか?
6. この相手との交渉を、どのようにして結論まで持っていくか?
●価値観には二種類ある。財産型価値と目的型価値
●あなたが小売店を相手にしているセールスマンなら、「相手が一番忙しい日を狙え」
●立って話すときに効果がある「戦略的な行動」
物理的な場所と、その時聞き手にイメージさせる感情を結び付ける
●ラポールを構築するために相手の価値観/ニーズを決定しているルールを見つけるために質問する
「〜を手にしたとき、それがなぜそうだと分かるのですか?」
●説得のプロセスでは、相手のポジティブな心理状態と、あるいは相手が望んでいる心理状態とあなたの製品、あるいはサービスを関連づけることが大切である。
もし誰かを映画に誘いたかったら、今まで見た映画の中でどの作品を好きだったかを、相手に聞いてみればよい。そしてその映画のどんなことが気に入ったのかを尋ねてみる。…そのときの相手の話をもとにして、これから見に行こうとしている映画をどれにするか決めればよい。
●行動を生みだすプロセス
メッセージ
↓
フィルター (フィルターを通るときに、歪曲・消去・一般化のプロセスを経る)
メタ・プログラム
歪曲・消去・一般化のプロセスを司る
歪曲 まだ実際には起こっていないことを想像しているときは、五感から得られた刺激を動機付けのために歪曲している
消去 ある情報に頭が占められると、別の部分の知覚情報を無視する
一般化 経験から結論を導き出す
25種類前後ある
方向付けのメタ・プログラム (快楽原則)
結果の評価基準のメタ・プログラム (外面的な結果の評価、内面的な結果の評価、データ)→モチベーション・マトリックス
比較のメタ・プログラム (究極型、反対→賛成型、賛成→反対型、同意型)
確認のメタ・プログラム
一般化/特異化のメタ・プログラム (指導者型の人は一般化タイプ、分析型の人は特異化タイプ)
必要性/可能性のメタ・プログラム (どちらを重んじるか)
類似性/相違点のメタ・プログラム
応答型/率先型のメタ・プログラム
親和性のメタ・プログラム(個人で、グループで)
価値観
信念・ポリシー
態度
決断
記憶
心理状態の変化
新しい行動
●フィルター
●
——————
ベストセラーの法則
——————
●本を読むことのメリットを明確にする
「あなたは仕事の面でも人間関係においても、自分で主導権を握って、もっと現実をコントロールすることが出来たらいいな、と思っていないだろうか。…キレものと言われる人がどうやって本当にすごい成績を生み出せるのか、知りたくはないだろうか。」
●ハードルを下げる
「そして練習をしてみれば、このスキルを身につけるのは伊賀にたやすいことがお分かりいただけるだろう」
●ライブドアの法則、一貫した世界観
結果を想定した思考(アウトカムベース・シンキング)OBT
●「使える」実例が豊富
論理思考って、もはやブームを通り超えて、定着した感があります。
それってつまりは「できて当たり前」ってことで、苦手意識は克服しておきたいものです。
そんな時にお勧めの、ちょっと変わった本がこちら。
野矢 茂樹著、論理トレーニング101題
野矢 茂樹著、論理トレーニング101題
評価は
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「ちょっと変わった」というのは、文章読解がメインだから。
徹底的に、
非論理的な文章はどこがおかしいのか?
どうすれば論理的になるのか?
というのをトレーニングしてくれます。
このアプローチ、ありかなしか、と言ったら、あり。
本当の論理思考って、書いてみないと身に付かないんですよね。チャライ本とか読んだって、「分かったつもり」にしかならなくって。
受験問題みたいでちょっと退屈かもしれないけど、本気で取り組みたい人にはオススメです。
以下、ポイントを。
●接続詞を使った文の関係
付加、理由、例示、転換、解説、帰結、補足
経営者って大変そうだけど、やっぱりビジネスパーソンなら目指したいもの。
では、どうやったらいい経営者になれるのか?というのを実地体験に基づいて教えてくれるのがこちら。
小山 昇著、経営の見える化 小山 昇著、経営の見える化
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著者の小山さんご自身が経営者ですから、その言葉には説得力がありまくり。
「なるほど、経営者の役割って、計画を立ててそれを実行することなんだなー」って、当たり前と言えば当たり前ですが、本気で納得できました。
本の構成上、「広く薄く」なっている感は若干ありますが、逆に言えば小山さんの経営観を一目で見るにはいいのかもしれません。
以下、ポイントを。
●株式会社武蔵野の経営計画書の構造図
経営理念(ダスキン)
経営理念(武蔵野)
七精神(価値観)
長期事業構想書(長期的なビジョン)
経営目標(今期の売上高、粗利益額等の目標)
利益計画全社
経営方針(基本方針/お客様本位、独自能力、従業員重視、社会との調和)
各方針
年間スケジュール(4週間1サイクル)
●経営計画書はとりあえずつくるのが正しい。だから真似からはじめる
●「経営計画発表会」は社長の独壇場
社長の覚悟と責任の所在を記す
●計画とは、言い換えれば、「社長(会社)の考え」と「お客様の価値観」の違いを知るために立てるもの
●「決定」は「早く決めるのが正しい」のであって、「正しく決めよう」とするのは間違いです。
●経営計画書には「できること」だけを書く
●「教える時間で学んだ「知識」を人前で話させることによって、はじめて「理解」できるようになります。そして「理解」させたら、同じことを何度も何度も繰り返すと、今度は「わかる」youになります。」
●自分の業界紙か見ていないと、決して1版にはなれない
●「独力で頑張る人」より、いいことを「真似した人」を評価しなさい
●利益目標は「適当に決める」
●新規事業は「現市場」に「新技術や新商品」を売る方が成功しやすい
メディアでも大きく取り上げられた、史上最悪級の山の事故を徹底解明。
羽根田治 他著、トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか
羽根田治 他著、トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか
評価は
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読みながらも、
・グループにおける意思決定はどうあるべきか
・リスク管理とは何か (山でもビジネスでも撤退基準とは?)
・極限におかれた時の人間の心理は?
・見ず知らずの他人であるガイドをたやすく信じてしまう日本人の精神性って?
などなど、重い「宿題」を突きつけられた気分です。山好きの人のみならず、一般のビジネスマンにも広く読んでいただきたいもの。
著者もできるだけ押さえた筆致で事実を書こうとしているので好感を持てるのですが、それでも多少、判断が一方的なんではないのか?と思われるところがあるのがちょっと残念。批判的な行動をとった人にしてみたら、反論したいところもあるのではないでしょうか。(ネット上でやっているのかな?)
ちなみに、今回の事故を起こしたツアーの主催者であるアミューズトラベル社のホームページには、いまだに「トムラウシ山遭難事故に関してのお詫び」が掲載されています。
「ベストセラーを書きたいなぁ」と思った時にチェックしたいのがこちら。
平松 南 企画・構成著、編集者をめざすならぜひ聞いておきたい大先輩17人の貴重な話―法政大学エクステンション・カレッジ編集・ライター講座
編集者をめざすならぜひ聞いておきたい大先輩17人の貴重な話―法政大学エクステンション・カレッジ編集・ライター講座
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
書籍に限らず、雑誌や絵本、漫画など、様々なジャンルにわたって、いろんな編集者の話が読めるのがお得です。欲を言えば、全体感が見えるパートが嬉しいのですが…
下記、ポイントを。
●猪狩春男氏、「この本は100万部売れる」による、本を売るための7つのキーワード
身近である、短い、新しい・またはユニークな、あんまり暗いものじゃない明るいもの、すべて(なるべくハンディなもので全てが分かる)、感動、面白い・ためになる
→これはたぶん、間違い
●塩見亮氏、絵本編集者
よいデザインとは…「デザインしていることを感じさせない」
●横川裕史氏、Withなど女性誌編集
編集の「編」とは、イコール「捨てる」
●上田哲之氏、新書編集
「バカの壁」が売れたことにより、「バカ」市場があることに気づいた編集者が「頭のいい人、悪い人の話し方」を企画したのではないか
●小林道雄氏
消費を楽しむことだけに関心が向いてカタイ本が売れない時代
歴史的認識がないから
感情の肥大
理想が語られずに現実重視
カネと女と名誉が大すきな俗物
敵を仕立てて叩けば売れる時代
留学したとき、一番困ったことと言えば、なんだと思います?
勉強?現地での生活?人間関係?
そう、全部たいへんだったのが、とくに苦痛だったのが、
「パーティー」
外国人とパーティーで気の利いた会話をする、というのが、何とも苦痛。
「それ、行かなければいいじゃん」。と思うかもしれないけど、そこは浮き世の義理というヤツで…。
もしくは、講演会が面白かったときなんて、スピーカーの人と話をしたいじゃないですか。なので、パーティースキルは、実は留学中に得た大きな成果の一つです。
さて、前置きが長くなりましたが、日本語でのパーティーも苦手という人がチェックしたいのがこちら。
松橋 良紀著、あたりまえだけどなかなかできない 雑談のルール
松橋 良紀著、あたりまえだけどなかなかできない 雑談のルール
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
タイトルを見たときには、「こんなの、本当に本にする価値あるのかなぁ」と思いましたが、良い意味でそれは裏切られて、発見が多かった良書です。
以下、ポイントを。
●「内容が薄いことを言うくらいなら、言わない方が良い」から解放されよう
●しゃべるのが苦手、奥手で受け身の人は、しゃべりたいことを名詞に全部書いて読んでもらう、質問してもらう
●心理実験の結果、自己開示は最初にするより最後の方が有効
●キャリブレーション
相手の行動、動作、態度を観察して相手の考えていることを推しはかる
●印象に残る雑談のコツは、5感を使った表現がなされていること
●当事者イメージ。デソシエーション(傍観者)、当事者(アソシエーション)
●目をぱっちりした表情を作ってもらうときは「眉毛をもっと上げてみようか」
●4つのタイプ
視覚タイプ 思い出すときに視線は上の方を見る
聴覚タイプ 思い出すときに目が真横に動く
感覚タイプ 思い出すときに下の方を見る
理論タイプ
●ナンパの研究、クリス・クラインケ
●聞きづらいことを簡単に効く、否定質問
「○○では…ないですよね?」
●ベストな視線のそらし方は斜め下
「どうも最近、どうでもいいことを上手に書いた軟弱な作品ばかりが幅をきかしているのではないか」
本好きの人なら思うことありますよね。
100万部のベストセラーの「あの本」だって、まともな感覚のビジネスマンが読めば、「くっだらねーなー」と思います。
そんなとき硬派な本が読みたくなったらチェックしたいのがこちら。
佐高 信著、現代を読む―100冊のノンフィクション
評価は
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タイトルにあるとおり、100冊のノンフィクション本が紹介されています。古典的な名作や、世間では評価が高い企業の内幕を描いたものなど、読み応え抜群なものばかり。
逆に、自分がいかに本を読んでいないかの反省もしますけど。紹介された100冊のうち、2冊しか読んでなかった。がーん。
そんな、自分の状況を定位するためにも参考になるのではないでしょうか。
町中で見知らぬ女性に声をかける「ナンパ」。
あれって、女性にとっては不愉快なものらしいですね。自分がいきなり性的な好奇心の対象になったみたいで。
それなのに、実はナンパにあいやすい女性のタイプってあるそうなんです。
と言うのを切り口に、進化心理学的観点から人間の心の動きを探ったのがこちら。
坂口 菊恵著、ナンパを科学する ヒトのふたつの性戦略
坂口 菊恵著、ナンパを科学する ヒトのふたつの性戦略
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先行研究をしっかり押さえた上で、斬新な切り口から進化心理学をひもとくというとても参考になる一冊ですが、もう少し日本語を分かりやすくしてもらうとなおよかったですね。専門用語のせいもありますが、センテンスとセンテンスの間の因果関係を示す接続詞を入れた文章が欲しかったところです。
以下、ポイントを。
●文化相対主義 vs. 人類普遍主義
1970年代からは、人類普遍主義への揺り戻しが始まる。
●セルフ・モニタリング
セルフ・モニタリングの高低は個人である程度一貫している
→後天的に開発は難しいのか
●動物の場合、オスの方が派手な外観をしているのは、生存能力の強さを示すため
立派な飾りを付けるという負荷以上に生存能力が高いことを示す
●女性の顔の好みの変化
妊娠可能性が低い時期は女性的な顔の男性を好み、妊娠可能性が高い時期は男性的な顔を好む
●芸能人の離婚率が高いのは意味がある(可能性がある)
セルフ・モニタリングが高いという因子が、一方で芸能人としての成功に結びつき、一方で短期的配偶戦略への指向に結びつく可能性がある
●サイコパスは、セルフ・モニタリングと短期配偶戦略が極端に高いタイプではないか
●参考文献
人はなぜレイプするのか
進化、ジェンダー、レイプ
●タイプ分け仮説
セルフモニタリングが高い
↑
他者の心への共感が高い ←→ 他社の心への共感が低い
↓
セルフモニタリングが低い
「こんな会社、辞めてやる!」と世界の中心でさけびたくなることってありますよね。
その原因は、たいていの場合人間関係。
最近特に論理思考とか流行ったせいか、「論理的に正しければそれで良し」みたいな風潮がまかり通って、人間関係に気を使わなさすぎ。
「おまえ、人として大切な何かが欠けてるぞ」
と突っ込みたくなる人がウジャウジャいます。
そんなときにチェックしたいのがこちら。
河合 太介, 高橋 克徳,永田 稔著、不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか
河合 太介, 高橋 克徳,永田 稔著、不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか
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★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
上記の傾向を「不機嫌な職場」というキーワードでまとめ、
具体例
その原因
心理学の観点からの分析
うまくいっている企業の処方箋
一般的な提言
という形でまとめてくれています。
提言のところは、コンセプトだけで実践方法がないのがちょっと物足りないですが、それでも手に取ってみたい一冊です。
下記、ポイントを。
●「あなたは、この一週間で、心から「ありがとう」という言葉を誰かに伝えたことが何回あっただろうか」
「お客さん集まらないよ…」
ビジネスをやる人ならば、誰もが冷や汗をじっとりとかく夜を迎えたことがあるでしょう。
明日は自社主催のセミナーなのに、申込はひとけた代。その人たちですら当日ホントに来てくれるかはなはだアヤシイ…
そんな時にチェックしたいのがこちら。
ジョセフ・シュガーマン著、全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術
評価は
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要するに、いかに効果的な広告を書くかの本です。そして、この本で学んだことは、広告だけでなくチラシやホームページやDMなど、集客に関連する分野ならば応用可能なのも嬉しいところ。
ただ、もうちょっと具体性があると良かったとは思いますが。本書の内容も。
いや、もちろん豊富な事例は載っているのですが、読者がこれを読んで自社の広告を作れるようになるかは疑問。
「第一センテンスの唯一の目的は、読者に第二センテンスを読ませることである」
「コピーの長さは、十分に長く、十分に短く」
と極めて抽象的なアドバイスをされても、どんな文章書くかの指針にはならないですよね。
なので、実は本書はこれまで広告を作って、ある程度の成果を挙げてる人がさらなるブレークスルーを見つけるために読むべきと考えます。その意味では、いろいろと面白い発見がちりばめられていますし。
ただ、古さは若干否めないでしょう。
もちろん、人間の心理というのは古今東西普遍ですが、一方でこの本に書いてあるような手法は「情報商材」といわれるアヤシゲなネタを売っている人達が使い尽くしてしまった感があります。ほら、誰でも一度は読んだことあるでしょ?「○○の手法」を解説するホームページで、「私は驚きました!それは…」みたいなノリで延々と続いてくのが。
なので、今現在の集客のチャレンジは、上手だけどアヤシゲな集客方法があふれる中で、お客様の信頼を勝ち得ることなんだと思うのです。
以下、ポイントを。
●商品にはそれぞれの本質があり、その商品に潜むマーケティングコンセプトを効果的に引き出すには、本質を理解する必要がある
→ USP
●第1センテンスは短く。第二センテンスを読ませるために。(滑り台効果)
-つなぎの言葉を効果的に使う。「しかし、それだけではありません」、「続きは次をご覧下さい」、 etc.
●常にコンセプトを売ること。商品やサービスを売るのではない
-シズルを売る
-エモーションを売る
●コピーで提示するアイデアには論理的な流れが必要。見込客の質問を予期し、あたかも面と向かっているかのようにそれに答える
●読者が理解できないような技術説明を加えるのは、商品を良く吟味したのですよ、私はプロフェッショナルなのですよ、ということを証明するため。
●商品を使っているところを想像させる。
→あたかも、すでに勝っているかのように語りかける
●商品のネガティブな側面を盛り込んで、それを否定することで信頼性を増す
●しかるべき有名人に推薦してもらうのも良い
●所属の欲求に訴える
-人が商品を欲しがるのは、すでにその商品を持っている人のグループに加わりたいから
会社の中がうまくいかないことってありますよね。
経営陣の間がぎくしゃくしてたり、職場はなんとなくギスギスしてる…
当然一体感なんてカケラもなし。これでは業績が上がるはずもありません。
そんな時に参考にしたいのがこちら。
大橋 禅太郎著、すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
評価は
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タイトルには「会議」と入ってますが、エグゼクティブ・コーチングの話です。
いや、もちろん、本書の内容を自分たちでやろうとしてもいいのですが、おそらくはムダ・ムリ。
なぜって?
この本ではサラッと書いていますが、本書に書いてある内容を会社という濃密な人間関係の中でやることは、心理上ムリだから。
だって、「言えない問題を言ってみる」とかありますが、それ、ホントに会議の場で言えます?上手く取り繕って当たり障りのない話をするはずじゃないですか?
そんなメンタル・ブロックを乗り越えるためには、実際のところはコーチの、それもとびきり優秀なコーチの手助けが必要なのは間違いなし。実際に、本書もコーチに導かれて会社が変わったという事例ですしね。
なので、逆に言えば、自分たちでコーチを利用する時の便利な知見が入っているので、興味がある人はチェックしてみてください。
下記、ポイントを。
●ステップ
経営の中心となるメンバーを緊張感を持ってそろえる
人の意見を気にすることなく、それを発表する仕組み
紙に書いてから発表する
順繰りに発表する
実体験→質問→洞察の提示 →このポイント非常に重要
参加させられているという感じから、「何かやってやろう」という気分へ
前向きな雰囲気
今達成できていることを考える
達成しようとしていることの障害が前向きな形で明らかになる
問題を「どのようにすれば」に置き換える
「言わなかった問題、言えない問題、言ってはいけない問題は何か?」
「この会社のひどい真実はなにか?」
「あなた自身のひどい真実は何か?」
なんかやってやろうという気分になっている
共有共感の持てる短期的で明確な目標
「このチームによってこれから半年で何が主な成果として創り出されるか」
「●年●月●日までに
△を達成できることによって (何らかの数字または測定できること)
(欲しいインパクト) となる」
目標の達成の担当分野の明確化
明確化の質問
代替案の提示
リクエスト
目標達成のための計画
コミットメントリスト
「このままいくとスケジュール通りに終わるか?でないとすれば、何日遅れになるか?」
計画の進行管理方法
もkひょうの達成に障害となることにシステマティックにアプローチし、討議し、解決する
●コーチの役割
リクエスト
それが出来る雰囲気作り
確認の質問
●コミュニケーション
「ゼン、なにをコミュニケートしているんだ?」
メッセージの後にはかならず(LOVE)か(Fuck you)がカッコについて入っている
「人を喜んで死地に赴かしめるのが将である」
なんて言葉が戦国の昔からあります。
でも、どうやったらそうなれるの?と言う解答の一つが、本書でも示されてる「物語力」。
平野 日出木著、 「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
MBAホルダーらしく海外の先行研究はよく調べられているし、ヒントと事例は満載なのですが、ちょっと難しいですね。なので、「物語の体操」を読んだ上で取り組むと良いかもしれません。
下記、ポイントを。
●「偉大なリーダーだから素晴らしい物語を語れるのではなく、『物語法』を実践してきたからこそジョブズは偉大なリーダーになれた」
●面白いストーリーは5つの変化がある
誘因
紛糾
危機
山場
解決
●動詞をくり返して「臨場感」を演出する
●エピソードは「入れ子構造」にする
実際の行動を再現する系列
欠けているものは何か、それをどう補ったか、変化を説明する系列
欠けているものの補充が主人公にとって何を意味するか、その意味を評価する系列
●聞き手に感情移入させる「V字形」ストーリー
いったん過去に戻る仕掛けを作れ
エピソードは時間順に配置する
WSJ記者がマニュアルにしている「フィーチャー・ライティングの技法」より
ティーザー 読者を引きつける冒頭部分
ナットグラフ なぜこの記事が重要なのか、なぜ読者は読むべきなのかのエッセンスを伝える
ボディ 本文 原則として出来事は時間順
キッカー 読者への記憶の定着を狙う。冒頭シーンと関連する話に「蹴り返す」のが理想
●ストーリーハウスを活用していいたいことを整理する(ピラミッド・ストラクチャの変形版)
イシューの部屋
インパクトの部屋
ソリューションの部屋
●まず自分を信頼させそれからものを売り込む
オーセンティック (心の底から信じている様子)
●池田輝久さんのシナリオプランニングの5つのステップ
目標の設定
スケッチング
分析・検討
シナリオ・チャートの作成
レビューとチューンアップ
未来は一つではない。複数用意する
「しがない中間管理職だって、組織改革に貢献したい」
そんな風に思うマジメな人に読んで欲しいのがこちら。
森 時彦著、ザ・ファシリテーター 人を伸ばし、組織を変える
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
小説仕立てで組織変革のストーリーが描かれています。読みやすさで言うと、
なぜ会社は変われないのか>本書>V字回復の経営
と言う感じ。てーか、なんか横文字多いッスね、なんとかならんのか、と茶々を入れたくなります。
そのせいで、OB(Organizational Behavior)のカタログみたいになってしまって、なんか、いい本だとは思うんだけど、今ひとつリアリティがないんだよなぁ。
以下、ポイントを。
●タックマンモデル
心理学者のタックマンが提唱する組織の進化
フォーミング
ストーミング
ノーミング (統一)
パフォーミング
●GE式ワークアウトの狙いと効果 (CLOのスティーブ・カーによる)
ひたすら「ストレッチ」する
「システムシンキング」を育てる
既成概念にとらわれない水平思考を促す
本当の権限委譲と「説明責任」を生みだす
短サイクルでの変革と素早い意思決定を手にする
●グループダイナミクス
1940年代にアメリカで開拓された小集団の心理を扱う学問領域
●ギブの4つの懸念モデル
J.R.ギブによって提唱された、他者との関係において自分を守るために自然と持つ懸念のモデル
需要懸念 受け入れられるだろうか?
データ流動 こんな事を言って良いものだろうか?
目標形成 グループ活動の目標が理解できない
社会的統制 グループ内での依存願望が満たされない
●ジョハリの窓
アメリカの臨床心理学者ジョセフ・ラフトとハリー・インガムによって提唱された、「対人関係における気づきの図解モデル」
●パーキングエリア
本来は出てきた意見の批判を許さないブレーンストーミングの際に出てきた、懸念や批判の意見を一時的に保持しておくためのホワイトボードのエリア
●アイスブレーク
日本ファシリテーション協会
https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=27
●外部化された思考プロセス
Think aroud
●未知の問題へのアプローチのパターン
何が事実で何が推測かを峻別する
要因を網羅してみる
仮説を立てる
プロセスを描いてみる
蓋然性の高いものから検証してみる
逆の立場から見てみる
(所感)未知の問題へは、機能的なアプローチの方が有効では?(それしかできない)
●発言を促す技術
全体を意識させる質問
分散(多様性)を意識させる質問
自分たちがコントロールできるものと出来ないものを意識させる質問
時間軸を意識させる質問
基準を意識させる質問
●アクションのコミットのための4W1H
Where
What
by When
How much
Who
●マインドマッピングを収束させる「浮力の原理」
●アイデアを出すためのモアorレス
今後増えるもの vs. 今後減るもの
●プロセスマッピング
客観的に自分たちのプロセスを見直すのに役立つ
●会議のグランドルール
会議の運営方法やマナー
●ビジョンを描くためのタイムマシン法
●フォース・フィールド・アナリシス
心理学者のK・レヴィンが1950年代に提唱した、集団の持つ規範を計画的に変えていくための手法。
行動を抑制しているさまざまな力を書きだしていく
●ソクラテスは弟子達に質問することで思索を促した
●ボールによる会話の可視化
●QC7つ道具
1. 管理図
2. ヒストグラム
3. 散布図
4. フィッシュボーンチャート
5. パレート図
6. グラフ
7. チェックシート
●新QC7つ道具
1. 系統図
2. 連関図
3. 親和図
4. マトリックス図
5. マトリックス・データ解析
6. アロー・ダイヤグラム法
7. PDPC法
会議を効率的にやりたいとは誰しも思うもの。
そんなときに参考になるのがこちら。
マイケル・ドイル、デイヴィッド・ストラウス著、会議が絶対うまくいく法
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
「インタラクション・メソッド」と名付けた会議運営の方法を説いていて、とくに、ファシリテーションの初心者向けにはよいと思います。逆に言うと、ある程度の経験者であれば、「それ知ってるよ」というのが多くて学びは少ないかも。
ちなみに、書名に「絶対」とついていてうさんくさいですが、現著者はその意図は全くなし。ちゃんと、「何でも解決する万能薬ではない」と言っていて誠実な姿勢です。
以下、ポイントを。
●会議を成功させる5つの原則
1. 一つの議題にみんなが集中していること
2. 一つの議事運営方法にみんなが同意していること
3. 誰かが責任を持って、オープンでバランスの取れた発言が交換できるように努力していること
4. 誰かが個人攻撃を受けたら、その人を守る役割の人がいること
5. 会議におけるそれぞれの役割が明確になっていて、誰もがそれに同意していること
●会議に参加する人の役割
マネジャー(主宰者) 権限を持ち決定を下す
ファシリテーター 中立を守る議事進行係
目的
1. メンバー全員を共通の問題に集中させるにはどうしたらいいか
2. 発言者を守り、全員に発言の機会を与えるにはどうしたらいいか
3. 中立的な立場にとどまり、なおかつ信頼を勝ち得るにはどうしたらいいか
方法論
まず自分の役割をみんなに説明する
メンバー
書記
会議メモをつくる。発言内容のみを記録し発言者の名前は書かない
クレームがあっても自分を弁護しない
●インタラクション・メソッドのルール
マネジャーは議事進行してはならない
ファシリテーターは中立を守る
●集団思考を防ぐ11のポイント
1. 最初から外部の人間を巻き込む
2. 意地悪な質問をする係りを決める
3. 定例メンバー以外の人を参加させる
4. 会議のエネルギーを活用する
5. 地位の高い人の発言は最後に回す
6. インフォーマルな会合を持つ
7. 信用されるメンバーを選ぶ
8. 投票は最後の手段
9. 決断を急がない
10. 一晩考える
11. 対立するグループと共同作業する
●会議室を選ぶのはギフトボックスを選ぶようなものだ。大きすぎたら中に入れたプレゼントがかたかた動いてしまう。小さすぎたらプレゼントがつぶれてしまう
小さい部屋にたくさんの人が集まると仲間意識が出てくる
椅子はいらない
テーブルはいらない
半円形をつくる
●会議の基本的なタイプ
問題解決
意思決定
計画
報告
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「アメリカって、ビジネススクールとかいっぱいあって、リーダー教育って進んでるんでしょ?」
と思ったら手に取りたいのがこちら。
野村マネジメントスクール著、 企業変革と経営者教育
評価は
★★★★★ (何度でも読む価値あり)(評価の基準はこちら)
米国の経営者教育を概観できる良書です。
視点が偏っておらず、
・ビジネススクール業界
・産業界
・新興教育業者
をまんべんなく押さえているのがgood。
また、教育方法も、(今どきそんな人は珍しいのですが)ケース・メソッド至上主義ではなく、アクション・ラーニングなどにも目を配っているところが素晴らしいですね。
人材育成に関わる方なら、一度ならず手元において何度も読み返したいものです。
マンガって、ストーリー作りの原点がありますよね。
映画ほど手間がかからない割には、心の底に響くメッセージを伝えてくれる…
なので、実はリーダーとして周囲の人にビジョンを描き出すためのヒントがたくさん隠されています。
ということで、マンガのつくりかたを知りたいと思ったときに手に取るのがこちら。
山本 おさむ著、マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
500ページ近い労作です。
しかも、自分の作品を俎上に載せて、そのつくりかたのたねを証すという勇気のある試みに拍手!
ただ…
いささか冗長ですね。作品を一つに絞って(それも、自分の作品じゃない方が客観的で分かりやすいのでは?)、分量を抑えた方が大事なポイントは伝わると思います。
●黒澤明監督の言葉
「とにかく、映画ってやつは、どんなワン・シーン、ワン・ショットの中でも、つねに、人物と人物、人物と事物、情景と情景、あらゆるものが相克し、対照、変化、発展しているんだ」
●マンガの工程
動機(モチーフ)
発想(アイデア)
プロット(筋)
状況
登場人物
事件
結末
構成(箱書き)
ネーム
●プロットのパターン
成長もの
勧善懲悪
ボーイ・ミーツ・ガール
目標に向かって
巻き込まれ型
●プロットを結末に転がすためのポイント
対立
テーマとアンチテーゼ
因果
危機
●作者だからテーマをわかっているというのは嘘で、作者もテーマの発見にはいろいろと苦しむわけです。そこに気づいてきちんと出来れば(何を?きちんとするの?)、前に考えたクライマックスより良いクライマックスが生まれることもあるし、自分がクライマックスだと思いこんでいたイメージが意外とパターン通りのイメージだったりと言うこともあります。
「リーダーなら人の心を動かしなさい」
なんて本のタイトルにも似たようなのがあって、誰もが思うことでしょう。
でも…
実際に人の気持ちを動かすのはとっても大変。「何度言ってもアイツは何で言うことを聞かないんだ?」と部下を持つ方なら毎日のように思っているでしょう。
でも、もし、小説家の持っているスキルを一部借りることで、「感動」を演出できるとしたら?だって、感動することありますもんね。本を読んで。
と言うのが、こちら。
大塚 英志著、物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
著者いわく、優れたストーリーにはすべて共通する要素、すなわち物語の「構造」があるとのこと。
ということは、この構造に沿って書くだけで(話すだけで)、まるで映画の名作のような感動を巻き起こせる、かも?
下記、ポイントを。
●著者の主張する骨格
援助者
↓
主人公の過去→主人公の現在→主人公の近い未来→結末
↑
敵対者
●著者の使うカード
知恵、秩序、理性、清楚、意志、生命、至誠、節度、善良、誓約、依頼、創造、調和、解放、寛容、勇気、厳格、結合、変化、公式、慈愛、治癒、庇護、幸運
参考:タロットのカード
* 0 愚者※1
* I 魔術師
* II 女教皇
* III 女帝
* IV 皇帝
* V 教皇
* VI 恋人
* VII 戦車
* VIII 正義※2
* IX 隠者
* X 運命の輪
* XI 力※2
* XII 吊された男
* XIII 死神※3
* XIV 節制
* XV 悪魔
* XVI 塔
* XVII 星
* XVIII 月
* XIX 太陽
* XX 審判
* XXI 世界
●グレマスの行為者モデル
援助者 送り手
↓ ↓
主体→ 対象
↑ ↑
敵対者 受け手
送り手は、主人公にお姫様のエスコートを依頼する王様
受け手は、お姫様をエスコートする先の隣国の王子
●蓮見重彦の説く「依頼と代行」の物語
80年代のベストセラーは共通の物語構造を持っている
主人公が誰か第三者から依頼を受けてそのものに代わって宝探しをする
●プロップの31の機能
a はじめの状況を決定するプロローグ
b 家族の一員が家を留守にする(不在)
c 主人公に対して何かが禁止される (禁止)
d 禁止が破られる(侵犯)
e 敵が情報を求める (情報の要求)
f 敵は、未来の犠牲者に関する情報を入手する
g 敵は犠牲者を欺いて、彼又は彼の大切なモノを奪おうとする (奸計)
h 犠牲者は罠に落ち、心ならずも敵を助ける (犠牲者の協力)
A 敵は家族の一員に対して、何か害を加える (加害行為)
B 不幸に気づく。主人公にこの不幸の回復が依頼されたり、命令されたりする(救助の依頼)
C 主人公は加害行為を回復することを引き受けるか、自発的に決意する(反撃の承認)
←主人公が家を出発する (出発)
D 主人公は、魔法の手段を手に入れるための準備の試練を受ける (贈与者の最初の機能)
E 主人公は未来の贈与者の試練に応える (主人公の反応)
F 魔法の手段が主人公の手に入る (魔法の手段の譲渡)
G 主人公は目指す目的の近くに到着する (もう一つの王国への移動)
H 主人公と敵は決められた戦いに入る(闘争)
I 敵は破れる (勝利)
J 主人公が印しまたは傷を受ける (烙印)
K 加害行為は回復される(回復)
← 主人公の帰還 (帰還)
Pr 主人公は追跡される (追跡)
Rs 主人公はたすかる(脱出)
O 主人公はこっそりもう一つの国または自分の家に到着する (気づかれずに到着)
L ニセの主人公が手柄を立てたのは自分であると主張する (ウソの主張)
M 主人公に難題が課される (難題)
N 主人公が難題を解決する (難題の解決)
Q 主人公が認知される (認知)
Ex ニセの主人公または加害者の正体が発覚する (発覚)
T 主人公の変身 (変身)
U ニセの主人公または加害者が罰せられる(処罰)
W 主人公は結婚するか王位につく (結婚)
●いきてかえりし物語
振り子運動の中で成長がある
あちら側とこちら側を往復することで少しだけこちら側の風景が違って見える
スタンドバイミー:主人公は成長するシカケが隠されている
会社の中でイヤなヤツっていますよね?
上司の前ではこびへつらうクセに裏では陰口、派遣のスタッフのような弱い立場の人間には高圧的、人の批判は上手だけれど自分でリスクをとることはしない…
そんな人間に毅然と立ち向かう際に読んでおきたいのがこちら。
ヘア、バビアク著、社内の「知的確信犯」を探し出せ
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
著者は、コーチングの専門家と心理学者。上記のような特徴を持つイヤなヤツは、「サイコパシー」という人格障害であるとの前提で、その特徴と対処法を解説しています。
あるサイコパシーを主人公にしたショート・ストーリーが挟まれているので、全体に読みやすく、そして想像力をかき立てる構成になっています。
サンプルも豊富でうれしい…という反面、あまりにも量が多すぎて読むのが煩雑かな。似たようなストーリーがたくさんあって、何が言いたいのか途中で分からなくなっちゃう。
また、400pに近い大部であるものの、チャート(図)が一つもないのが残念。ずいぶんと理解を助けてくれると思うのですが…
とはいえ、役に立つことは間違いなし。問題のある上司や、セクハラ・パワハラの被害を受けている人なども、ぜひ一読してはいかがでしょうか。
下記、ポイントを。
●サイコパシーとは
心理学によるパーソナリティ障害 (DSM-IV)の一種で、自己愛性パーソナリティ障害、演劇性パーソナリティ障害と関連を持つ
行動面での特徴は、巧みな話術、カリスマ性、自身、強靱な精神力、冷静さ、規則を破る、自己主張が強い
心理面での特徴は、良心がない、他人への共感がない、罪悪感がない、など
評価面での特徴は、同僚たちの反応が千差万別であること
●サイコパシーが他人を操るアプローチ
-ステップ
評価段階
操作段階
放棄段階
-役割
手駒
パトロン
●「サイコパスが次々とセックスのパートナーを変える理由の一つは、進化心理学に見いだせる」
●企業はサイコパスか
「ザ・コーポレーション」より
自由放任の資本主義を体現した企業は、サイコパスの診断基準と完全に一致する
●リーダーシップと誤解されやすいサイコパスの特性
Q: サイコパスの特性のほとんどは、わが社では高く評価されています。サイコパスにふさわしい職種に彼らを採用してはいけない理由がどこにあるのですか?
A: どの職務の実績に、サイコパスの特徴がどの程度影響するかを知るためには、さらに調査を進める必要がある
要するに、行動面での違いはない、と。モチベーションとして、「会社のため、相手のため」か、「自分だけのため」が差である。
グローバル・ダイニンググループの創業者が書いた自叙伝「タフ&クール」を読んだ。数ある創業者の「成功物語」の中でもバツグンに面白い1冊。評価は、
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
おもしろさの源泉は、著者の破天荒な生き様とともに、グローバル・ダイニングの成功を普遍化している点にあります。つまり、単に成功物語にとどめ ず、そこから一般に適用しうる経営の要諦(インサイト)を定式化していると言うことですね。いわく、サービス業はそれを提供する社員が大事。いわく、情報 をオープンにした経営が社員のやる気を引き出す、等々。「あったり前じゃーん」と言ってしまえばそうなのですが、それを実践している経営者自身の言葉は重 いものです。
一方で、「完全実力主義」の先行きも気になるところ。数字で実績を上げれば上げるほど報われる体制のもと、会社のミッションに背いても実績を上げる 社員が出ることが懸念されます。それは、あたかも、「神の見えざる手」に従ってマーケット主義を追求したアメリカ経済が、結局は企業の不正を生み出したよ うに。
いずれにせよ、飲食業に限らず、サービスを顧客に提供している部署で働いている人(って言うことは、結局全てのビジネス・パーソンですが)は一読の価値ありです。
特にサービス業に携わっているリーダーに一読いただきたい本を紹介したい。
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
「サービス・プロフィット・チェーン」を理解し、構築することはサービス業に携わるリーダーに必須の要件であると考えるからだ。
サービス・プロフィット・チェーンは、サービスの提供を単に現場の従業員の活動の結果と捉えるのではなく、むしろ全社的な一連の流れ(=連鎖=チェーン)の中の一部分であると捉えることに特徴がある。
簡単にまとめると、
社内サービスの質→従業員満足度→顧客サービスの質→顧客満足度→売上
という流れだ(実際はもっと詳細に構築されています)。
このコンセプトがリーダーにもたらすものは大きい。
たとえば、サービス提供のクオリティを上げるためには、現場の従業員を叱咤激励するだけでは意味はなく、その連鎖の上流にある従業員満足度を上げるため、社内サービスの質を高めなければならないと気づく。
同様に、連鎖を下流にたどっていくならば、顧客の満足度はそれ自身が重要なのではなく、それによってもたらされる売上・利益の拡大を実現することによって初めて意味を持つことに気づく。
戦略構築のポイントのひとつに、社内外の要素を関連づけたグッド・サイクルをいかに作り上げるかという課題があるが、サービス業におけるグッド・サイクル構築のヒントを与えてくれる。
ちなみに、サービス・マネジメントという概念は本家がアメリカで、ハーバード・ビジネススクールのヘスケット教授などが名高い。ビジネススクールでは往々 にして専門分野(マーケティング、アカウンティング、etc.)によって部門が分けられ研究する領域が決まってしまうそうだが、サービス・マネジメントの 研究は専門分野の枠組みを超えた学際的なとりくみとしても興味を持ってウォッチしている。
ただ、学際的な領域であるが故に、なかなかひとつの学問分野として確立されるのが難しそうではあるのだが…
会社設立の実務を時系列に沿って紹介している本はいろいろあるが、その中で、
福山ゆみこ著
「あなたにもできる会社設立の本」を読んだ。
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
とにかく、会社を設立(登記)することを目標に、最低限必要なことがまとめられているのが実務上はありがたい。「第2章 印鑑をつくろう」などの知識を紹介したパートも便利だ。
起業家を取り巻く法務に関する本を読んだ。
前田陽司著
「起業家サバイバルガイド」
評価は
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普通のサラリーマンをやっていると、法務に触れることはあまりないので、この本のように物語り仕立てで全体を概観できるのは非常に有効だ。
株主総会、役員会など、起業のガバナンスに関する論点を押さえてあるのも嬉しい。もちろん、この分野を詳説した本もあるのだが、まずは本書のように簡単に概観できる構成はありがたい。
起業家を取り巻く、会計に関する本を読んだ。
市川一郎&アソシエイツ著
ゴー・パブリック 起業公開物語
評価は
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起業から公開までの一連の流れが物語形式で概観できるのが実務家にとっては嬉しい。
資本政策や予実管理などの会計(財務)的な側面とともに、内部統制の重要性にも気づかされた。契約書を始めとした各種書類の管理や、その前提となるSOP(Standard Operation Procedure)の定義などだ。
起業すると、ついついビジネスサイド(売りを立てる方)に目がいきがちだが、公開を目指す起業ならば起業直後から管理会計・内部統制のインフラは組み込んでおくべきだろう。
米国経済が力強さを増してます。
でも、その強さの源泉ってどこにあるのでしょう?
日本だってひと頃はアメリカを追い抜いたのに、いつの間にやらアメリカに遠く引き離されて、いわば「周回遅れ」になってしまっている現状は、狐につままれたような感があります。
その、米国(経済/企業)の強さの理由を、革新的なビジネスモデルを生みだす人材に求めて、どの様にビジネスマンの教育がなされているのか?という疑問に答えてくれているのが本書です。
根本、ラーニング・シフト アメリカ企業の教育革命
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
え?従業員の教育って、日本の法がよっぽど手厚いんじゃないの?
そうだったかもしれません。
あるいは、単に手厚い/手厚くないと言う議論ではなくて、
・米国は一部のエリートに教育を含めたリソースを集中投資
・日本は、多くの社員に広く薄く教育機会を配分
という違いなのかもしれません。
ところが、と本書は説きます。
近年の米国企業における研修では、それも変わっているのだ、と。
とくに、近年の米国の企業研修の新たな流れを、
・ジョブからコンピテンシーへ
・組織学習から学習組織へ
・教育からアクション・リフレクション・ラーニングへ
・ダウンサイジングからHPWS(High Performance Work System)へ
という、「ラーニング・シフトの四大潮流」に整理したところを読むと、よく分かります。
というのは、単なる「研修のための研修」ではなく、目的や背景を押さえた上で、企業のニーズをくみ取る形でラーニング・シフトが起こったというスタンスをとっているので、目的→手段という構造を読みとりやすいからです。
第四章の、日本企業への提言のところでは、ともすると議論のフォーカスが定まらなくなってしまっていますが、総花的にあれもこれも言いたかったのでやむを得ないところでしょうか。
従来型の研修に行き詰まりを感じている方は、一読してみてはいかがでしょうか?
アクション・ラーニングとは、何だろう?
なんて疑問を持つ方が増えているような気がします。
要するに、新手の研修。
単に座学や、あるいはケース・メソッドでは開発できない能力やマインドを養える、と言うのがふれこみです。
参加者に実際の問題解決をしてもらうことによって、学習効果を狙ったものですね。
で、アクション・ラーニングに興味を持った人が、読んでは「ダメ」というのがこの本。
え、「読んではダメ」とはどういうこと?
いや、内容は良いんですよ。でも、「看板に偽りアリ」で、本書はアクション・ラーニングを主なテーマとして扱った本ではありません。
むしろ、センゲの提唱する「学習する組織」を軸に、米国における教育の最新事情を整理した本です。
原題は、”Learning in Action”。直訳するとすれば、「最近実施されてるの研修」(あんまり直訳でもないか)。ナンボ何でも、このタイトルはちょっとヒドイなー、と思っちゃいますね。
あ、でも、評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)。
「学習する組織」(もしくは、「組織的な学習」)を可能ならしめるための研修手法が体系立てて整理されていて、資料的価値は高いですね。豊富な事例もgood。個人的には、米国陸軍のアフター・アクション・レビューとは何かを説明しているところが面白かったです。
米国の「学習する組織」に関連する研修事情を知りたいという方は、読んでみてはいかがでしょうか?
リーダーシップ開発とはべつの興味があって、(精神的に問題を抱える人に対する)カウンセリングに関する本を読んだ。その名も、「カウンセリングの話」。
若干解説に冗長なところはあるのだが、カウンセリング、というか、人間のインタラクションを科学的に分析しようと言う試みを概説した本としては非常に参考になる。ということで、評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)。
リーダーシップも、人と人の間のインタラクションを以下に効果的にかつ目的を持って行うかを考えるものなので、これまでに理論化&実践されてきたインタラクションの研究を理解しておくのは大切、というか、なからざるべからずと言えるだろう。
もちろん、新書サイズという分量と対象者を考えると、広く浅く概観したものに過ぎないのだが、たとえばこの本を読んで興味を持った分野をもっと掘り下げてみるというアプローチはあり得るわけで、「入り口」としてのこの本の意義は大きい。
「エシカル・ジレンマ (ethical dilemma)」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
直訳すると、「倫理的な葛藤」であるが、要するに、ある状況に直面したときに、二つの選択肢の間で悩むことを指す。ただ、「エシカル」という言葉に込められたのは、その二つの選択肢のどちらを選ぶかにより自身の倫理観が問われるような状況と言うことである。
日本人にはなかなかなじみのない言葉だし、概念であるが、ビジネススクールのエッセイ(入試のための小論文)では聞かれることも多く、欧米のリーダーシップ開発のなかでは重要なイシューであると認識されているようだ。
今回読んだ本では、この「エシカル・ジレンマ」を正面から取り扱って、その構造と対処方法を明らかにしている。
ジョセフ・L. バダラッコ著、「決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
著者は、「エシカル・ジレンマ」を、自分の価値観・アイデンティティを確認・構築する(著書中では「自我を現す」、「自我を検証する」、「自我を形成する」というキーワードを使っている)チャンスとして、リーダーシップ開発にとって重要なものであると捉えている。
「真実の瞬間」への対処方法は、状況によって一様ではないものの、基本的な質問を自分に投げかけることによってとるべき選択肢が見えてくると主張している。
具体的には、個人として答えるべき問いとしてはニーチェを引用しながら、「ほんとうの自分になれ」を底流とし、一方、組織人として答えるべき問いにはマキャベリを援用しながら、「君は勝つためにプレイしているのか」を自らに問えとの主張だ。
本の前半は、主にニーチェ的な観点からの解説がなされており、正直言って説教くさいし退屈。ただ、後半は、「ほんとうの自分になれ」を組織のなかで実現するためには、マキャベリ的な行動も必要とといていて、示唆に富んでいる。
とくに、企業の倫理的な行動として有名なジョンソン・エンド・ジョンソンのタイレノール事件を別の見方で解説しいるところは事例として秀逸であった。
リーダーとして自分自身の価値観を問われる状況に直面したことがある方なら、参考になる点が多いのではなかろうか。
ちなみに、ビジネススクールへの出願を考えている方にも一読をお薦めする。冒頭に述べたとおり、「エシカル・ジレンマ」という概念は日本人にはなか なかなじみがないので、欧米人の目を通した「エシカル・ジレンマ」を理解するための手引きとしても使えるのではないだろうか。ひとつだけヒントを述べる と、欧米人にとってのエシカル・ジレンマは、”right vs. wrong”ではなく、”right vs. right”ということらしい。
「ウチの会社、今ひとつ活気がないんだよなぁ」
リーダーならば、問題に思うときがあるでしょう。といって、「活気」って見えないだけにどう手を打ったらよいか分からなくて、
「プレジデント・ランチ」でカツを入れたり
「プレジデント・アワード」でにんじんをぶら下げたり
はては社員旅行なんてやっては見るものの、
まったく効果がでないぃー、というのが関の山。
でも、ちょっと待って。もしも、活気がでない原因が、オフィスのレイアウトだとしたら…!?
という観点で分析を行ったのがこちら。
紺野 登著、儲かるオフィス 社員が幸せに働ける「場」の創り方
評価は
★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)
最初は懐疑心をもって読んでいたのですが、「なるほど、そうだよなぁ」とオフィスのレイアウト(というか、それを超えた『場』としてのオフィスの重要性)に納得です。フレームワークとして野中先生のSECIモデルが上手に使われています。
残念だったのは2点。まずは、ITとの関連が触れられていなかったこと。円滑な情報の共有、異なる視点のぶつかり合いによる創発を解くのであれば、インターネット(イントラ)上でどのように実装するかの議論がちょっとでもあると奥行きがでたはず。
そして、事例が大企業に偏っているのが残念だったことのもう一つ。まあ、やむを得ないと言えばその通りなのですが、中小企業の方が情報の共有には苦労しているような気もします(そうでもないかな)。
あと、全体に情報共有とフラット化組織が極めて肯定的に-ともすれば、楽園的に-捉えられていて、その対極にあるツリー型組織(軍隊型組織)が過去のもののように記述されていますが、これはちょっと違いますね。
現代においても軍隊型組織が存在するのは、決してイナーシャのせいではなく、それなりに使い勝手の良さがあるからです。現実に、この本ではオフィスレイアウトの先端事例として紹介されている日立グループが業績悪化に苦しんでいるわけですし。
この点も頭に入れて良い意味で批判的に読み進めたいものです。
下記、ポイントを。
●儲かるオフィスの特徴
-「有機的な」空間の構成 組織図にとらわれない人間的ネットワークを重視する
-切れ目のないレイアウト 身体的・感情的なつながりを重視
-環境への配慮 自然を巧みに採り入れる
●米国の大工道具メーカー、ブラック・アンド・デッカー社のエピソード
本当に売っているのは、「ユーザーがあける『穴』です」
●儲かるオフィス 7つの条件
1 トップが積極的に関与する
2 本社を「事業創造のための場」と位置づける
3 階段とエスカレーターをコミュニケーションツールにする
4 集う場、発信する場を会えて作る
5 インサイド・アウトによるデザイン・アプローチをとる
6 環境への配慮は前提とする
7 本社は社会・都市機能を担う
●場を構成する3つの軸 → 切れ味悪い
戦略性
協業・創発効果
情感性
一環効果
身体性
効率・改善効果